伊勢形紙協同組合

伊勢形紙と伊勢型紙 The two spellings of Ise Katagami

伊勢形紙と伊勢型紙という字の使われ方について説明します。 歴史的には、古くから「形」という字が用いられてきました。

江戸時代から明治時代にかけてこの「形」という字がもちいられてきましたが、大正、昭和にかけて「形」と「型」の二つの字が併用されました。そして戦後には「型」という字に統一して使用されるようになりました。
この字に関してですが、昭和30年に重要無形文化財「伊勢型紙」の技術保持者として6名が認定をうけました。しかし、昭和58年に通商産業大臣(現・経済産業省)が伝統的工芸品の指定に際して「伊勢形紙」として登録しました。 このことにありますように、「形」と「型」の字の混在は現在にもつながっています。
しかし現在では「型」の字に統一しようという動きになっています。そもそも「形」と「型」の字の持つ意味合いは「型」の字のほうがふさわしく、一般的な認知度を考えてみると、インターネット検索の結果では、圧倒的に「型」の字が多く表示されます。 このことにより、2009年には、業界の統一を図るように「伊勢型紙産地協議会」が設立されまして、「伊勢型紙」として地域ブランドを取得しました。

前述の、伝統的工芸品の指定に際しては「形」を用いるため、併用は避けられませんが、できるだけ「型」を用いていこうという業界の流れになっていきています。 また「形」と「型」が用いられる伊勢型紙は、歴史の流れを大きく汲んでいることを考えるとそれは、味わいのあることではないでしょうか。